閃輝暗点 自分でできる対策はありますか?

その1、閃輝暗点を引き起こす誘因を知って、きちんとケアしよう!

閃輝暗点を引き起こす誘因を見つけて、ケアする!

 更新日 2020/09/30   2021/06/19 2022/09/21

「医療相談室」への相談に、「閃輝暗点の頭痛薬についてお伺いしたいのですが、起こるたびに薬を使いすぎていると、鎮痛薬が効かなくなってさらに悪化して、別の病気も出てしまっているようです。お医者様からは「薬の使い過ぎによる頭痛」と言われました。薬代に毎月25,000円要ります。もう薬は飲みたくないのですが、自分でできる対処法や予防法ありますか?」(女性 48歳 郵便局員)というご相談が寄せられています。

他にもよく似た内容のご相談が寄せられています。

片頭痛があるたびに薬を使い続けていると、使用過多による新たな頭痛、別のタイプの頭痛が起こることがあります。

頭痛薬や鎮静剤などを使い続けることに抵抗を感じている方や、薬物に頼りたくない、このままではいけない、何か対策を、と思っている方は多いようです。

そこで薬に頼らない、自分でできる対処法として、次のような対策を3回にわたってご紹介します。

●「閃輝暗点 自分でできるセルフケア対策」

その1、「誘因を見つけて、ケアする」

その2、「代替療法を取り入れて、ケアする」

その3、「サプリメントを活用して、ケアする」

 

今回はその1、「誘因を見つけて自分にあったセルフケアを!」をテーマに解説します。

誘因を見つけ正しくケアすれば、片頭痛発症の大半は予防できます。

あなたの片頭痛の誘因は何ですか?まずはそれを知るところからスタートです!

 

 ●自分でできるセルフケア対策その2、「代替療法を摂りいれて、ケアする。」は、こちらをご覧ください。

 ●自分でできるセルフケア対策その3、「サプリメントを活用して、ケアする。」は、こちらをご覧ください。

●閃輝暗点は、誘因で起こる!

誘因を見つけてケアをすれば、閃輝暗点の大半は予防できる!

例えば、仕事上や日常生活におけるストレスが溜まって閃輝暗点が発症したとします。

この場合ストレスが溜まるというメンタル不調が「誘因」となります。

その「誘因」によってスイッチONとなり、「原因」が発生します。

原因とは「発症機序、しくみ、メカニズム」のことです。

脳内血管が収縮、拡張して周りの神経が炎症を起こし、閃輝暗点発症となります。

誘因とは「きっかけとなる出来事、食べ物や飲み物、環境や季節、気候気圧の変動、女性の生理など」です。

このように「原因」と「誘因」は別々に捉えて、それぞれ対処法を考えれば改善法も見つかります。

 

逆の例もあります。仕事が終わり緊張がほぐれ、リラックスした解放感でホッとした時にいきなりキラキラが出始めて、楽しいはずの週末が台無しになったという経験をされた例が多くあります。このケースは緊張感から解放感に変化するメンタル変化が「誘因」となり、スイッチONとなって発症するものと考えられます。

「えっ?なぜ?ストレスとリラックスは、まったく正反対、真逆のことじゃないの、、、、?」と、思われるでしょうが、この例のように、誘因には想定外、常識外といったまさかと思うような出来事や状態があります。そのまさかと思う誘因によってスイッチONされ発症するのです。 まさにこの不可思議な現象が閃輝暗点という病態の特徴でもあり、摩訶不思議な点でもあるのです。

自分の誘因を見つけましょう!そしてその誘因を知ることは生活習慣の見直しにもつながります。

以下の「誘因リストと、その対処法」を参考にして、きちんと正しくケアしましょう!

誘因を見つけてケアすれば、閃輝暗点の発症の大半は防ぐことができる!

●あなたの誘因は何ですか?

【誘因リストと、ケア対処法】

   過度のストレス。またはそのストレスから解放されたとき。

極度に緊張しているときや、精神的ストレスを感じている状態が強い誘因となり、片頭痛が引き起こされます。ケアする方法は、気持ちを切り替える手段や方法、自分なりのストレス解消法を見つけておくことです。

逆にその緊張から解き放されて、週末や休日でホッとしているときにも起きやすくなります。週末片頭痛、ウイークエンド片頭痛、土日頭痛などと呼ばれています。いつもの日常と違うリズムを感じて、もとのリズムに戻そうとするため副交感神経が活発化して、脳内血管が収縮し、また拡張することから発症するものと考えられます。ケアする方法として、休日でも寝すぎない、朝ご飯をきちんと摂り朝食を抜かないで、なるべく普段と変わらない生活を心がけましょう。

 

   月経・生理による女性ホルモン分泌の変化。

「月経周期関連片頭痛」といわれるほど女性にとって生理が強大な誘因となって、閃輝暗点を発症させます。ではなぜ閃輝暗点は生理の始まる1・2日前や、生理中2・3日の間によく起こるのでしょうか。それは女性ホルモンの分泌量の変化や、セロトニンの分泌バランスの変化に関係があるためです。

その変化により脳内血管に原因物質プロスタグランジンが出現し、炎症を引き起こし閃輝暗点を発症させることになります。生理による誘因をケアする対処法はありませんが、緩和する方法や改善法を解説しているサイトがあります。閃輝暗点の発症が女性に多い理由と、その改善法について、詳しくはこちらをご覧ください。「閃輝暗点 女性に多い理由は女性ホルモンの影響!?」

 

 「経口避妊薬ピル」の常用。

ピルの常用は閃輝暗点が発症しやすくなります。

避妊のため以外に、生理不順や生理痛など月経困難症、PMS(月経前症候群)のため産婦人科よりピルを処方されます。これにより「つらい生理が楽になった」という女性も多いようですが、ピルは強制的にホルモンバランスを変えて、生理の無い状態を作ります。すると女性ホルモンに乱れが生じ、炎症の原因物質プロスタグランジンの出現により、閃輝暗点起こりやすくなります。よってピルの常用も閃輝暗点発症の誘因となります。ですから対処法は、ピルは使用しない方が良いとなります。

ところが近年、別の理由で閃輝暗点のある女性患者さんにはピルは処方されなくなりました。その理由は?

ピルの処方がされなくなった理由について、詳しくはこちらをご覧ください。「閃輝暗点 ピルを飲んでると血栓症になるリスクが!?」

 

 

 ●  喫煙。

たばこに含まれるニコチンやタールは体に悪影響を及ぼす有害物質です。ニコチンは活性酸素の発生原因となり、血管収縮作用があります。喫煙者のほとんどは頭痛体質と言われています。さらに視神経への血液の循環に悪影響を与えることになり、片頭痛を起こしやすくなります。また喫煙者は脳内セロトニンの量が低下するという研究データもあります。セロトニン量の低下は片頭痛を誘発します。たばこは百害あって一利なし。すぐにやめるべきです。どうしてもやめられないニコチン中毒は亜鉛不足で起こります。対処法として亜鉛サプリの牡蠣エキスをおすすめします。●亜鉛不足について詳しくはこちらをご覧ください。「亜鉛不足で起こる体のトラブル!?」

 

  人混み。騒音。高い音や大きな音。強い香水のにおい。

ショッピングモールなど人の集まる場所に出かけると片頭痛を起こすケースが良くあります。これは、人混み、騒音、高い音や大きな音、強い香水のにおいなどによって誘発されているものと考えられます。また性格的にいい加減な人よりも、まじめで責任感の強いタイプの人のほうが、人混みなどで音に敏感になり、騒音で不快感を感じやすく、誘因が重く出る傾向にあるようです。ケアする対処法は、人混みをなるべく避けることです。

 

  旅行。飛行機。列車。

片頭痛持ちは脳の感受性が高くデリケートでセンシティブなので、環境の変化に影響を受けやすく、旅先で頭痛が起こることがあります。飛行機や列車、バスの乗り物酔い、ホテルの部屋の乾燥、枕が変わると寝付けない、早起き(寝不足)、不規則な食事時間、歩き疲れなどストレスの積み重ねになります。ケア対処法は旅行に行かないということになりますが、でも旅行には行きたいという方は、ストレスと感じないようにすること、楽しむことに専念することです。

 

 ●  強い光・太陽光・強い日差し・まぶしいライト

パソコンやスマホのモニター画面のライトも誘因となります。ゲームのやりすぎなども。目を酷使すると目の周りや首・肩の凝りといった頭痛の誘因を引き起こし、スイッチONになり発症します。ケアする方法は、1時間に1回、10分間は遠くを見るなどして目を休めましょう。こまめにまぶたを閉じる、疲れたら目を温めるなど目のケアを忘れずに。昼間は強い日差しを避けるため、できればサングラスをする。(赤系が良い。青系はだめ。)

 

   気温・湿度・気圧の変化。雨の降る前。季節の変わり目。

低気圧が近づくと片頭痛が起こりやすくなることはよく知られています。「気象病」「天気痛」「低気圧頭痛」とも言われ、雨季に片頭痛患者が増えるのは、低気圧によって脳内血管が収縮することが誘因となり発症するためです。また急な寒気も片頭痛を起こします。クーラーの効きすぎる室内で冷気が直接頭部に当たっている場合などで、頭痛が誘発されるケースもあります。直接当たらないようにするか、頭や首にスカーフを巻くなどして、冷気を防ぐと良いでしょう。真夏にかき氷を食べて、キーンと頭痛が起こるのも一過性の軽い片頭痛です。

 

 ●  空腹時。

朝ごはんはきちんと食べましょう。ダイエット中だと言って、朝食を抜いたり、食事の時間が不規則だったりして空腹の時間が長く続くと、血糖値が下がる(低血糖になる)ため脳内血管が拡張して片頭痛を起きやすくします。低血糖を避けるためには、朝ごはんは必ずきちんと食べること。一日三食同じ時間に摂れるよう心がけましょう。偏食、暴飲暴食に気を付けて、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。よく噛んで食べることも、脳内セロトニンを増やします。通勤時間を利用してガムを噛むのも、セロトニンを増やす方法です。

食事は規則正しく栄養バランスを考えて、野菜、海藻、豆類などミネラルや、アミノ酸、ビタミンを豊富に摂りましょう。食事が不規則な方、栄養素の亜鉛が不足していると感じる方は亜鉛サプリの牡蠣エキスでケアできます。

 ●亜鉛不足について詳しくはこちらをご覧ください。「亜鉛不足で起こる体のトラブル!?」

 

 ●  寝不足・寝すぎ。

忙しくてもなるべく睡眠時間を確保する工夫をしましょう。片頭痛の誘因になる疲労やストレスを軽減させてくれます。でも休日に遅くまで寝すぎたりすると、日常の本来のリズムに戻そうとして、副交感神経が活発に活動することで血管が拡張して片頭痛を起こします。寝すぎても頭痛が起こるので休日でも気をつけましょう。 

 

● コーヒー・紅茶の飲みすぎ。

コーヒー・紅茶は適度にたしなむ程度であれば、むしろリラックスできますが、飲みすぎるとカフェインの過剰摂取となり、片頭痛を引き起こします。特に空腹時に飲みすぎないように。

 

● 大汗をかく

小中学や高校生で初めて閃輝暗点発症を経験するケースでは、部活などのスポーツで大量の汗をかいた後、または大会や試合で緊張しているときに発症したという報告があります。汗をかくことで亜鉛ミネラルが消費され一時的に亜鉛欠乏症となり、血管が拡張して閃輝暗点が発症します。また熱いシャワーを浴びたあととか、久しぶりに温泉に行って大汗をかいて発症したという例や、真夏に庭の草むしりをしていただけなのに発症という例もあります。対処法は、亜鉛不足のケアとして、亜鉛サプリの牡蠣エキスを継続摂取することでケアできます。

 ●亜鉛不足について詳しくはこちらをご覧ください。「亜鉛不足で起こる体のトラブル!?」

 

● スパイシーな食べ物。

オレンジ、パイナップルなど酸っぱい食べ物は、眠気を覚ますのには良いですが、過剰に食べ過ぎると片頭痛を引き起こします。

 

 「チラミン」を多く含む食べ物。

チラミンとはチロシンから生成される微量アミンの一種で発酵食品に多く含まれます。神経刺激作用により、血管を収縮させる効果がありますが、過剰摂取の量によっては、肝臓が解毒しきれなくなり、体に蓄積されると血圧を上昇させ、片頭痛や吐き気を誘発する原因になりやすいと言われています。

「チラミン」を多く含む食べ物は次のような食品で「誘発食品」と呼ばれています。

⦿ チョコレート・ココア(カカオ食品)

⦿ チーズ(中でもチェダーチーズはチラミンを多く含みます)

⦿ ピーナツバター(USA国立医学図書館では片頭痛誘発食品として警告公表されています。)

⦿ ピクルス ⦿ ヨーグルト ⦿ 漬物 ⦿ キムチ ⦿ ビール ⦿ 赤ワイン

 ケア対処法としては、これらの食べ物を食べないことが一番の対処法です。しかし大好物であれば食べないことでストレスが増すことになり逆効果です。ほどほどが良いようです。


●避けられない誘因がある!?、、、その対処法は?

自分では避けることのできない誘因があります。月経・生理による女性ホルモンの変化、気候・気圧の変化、季節の変わり目など自分では避けることはできません。そんな場合のケア対処法もありません。一時的に薬を使用するしかないのでしょうか?でも「閃輝暗点のみ頭痛なし」のケースでは薬物療法がありませんので薬がありません。、では、避けられない誘因はどうすればよいのでしょうか?

 

こんな場合は、サプリメントを活用した代替療法を摂りいれてください。薬用植物ハーブや機能性サプリメントの積極的な活用が有効です。

サプリメントの活用により、発症が軽減するなど良好な結果を得られた事例が報告されています。

詳しくは「閃輝暗点、サプリメントはありますか?」をお読みください。


●頭痛ダイアリーを付ける

誘因を見つけやすくするために、「頭痛ダイアリー(日記)」を付けましょう。頭痛ダイアリーを付けることで、頭痛をじっくり観察して自分の頭痛を理解できます。

自分がどんな時に片頭痛になりやすいかを見つけることは、とても重要なことです。

誘因を探して、それを避けることで片頭痛の発症を半分に減らすことができます。

そのための手段として、「頭痛ダイアリー」を利用されることをお勧めします。

日本頭痛学会のホームページアドレス http://www.jhsnet.org/

「頭痛ダイアリーをつけましょう」> 右サイドの下 >「頭痛ダイアリー」> ダウンロードができます。


まとめ:編集後記

原因と誘因は違う!?

今回は自分でできる予防対策として、「誘因」を取り上げて解説してまいりましたが、文中でも述べましたが、閃輝暗点発症には原因と誘因があります。同じではなく違います。

原因とは、発症機序(発症するしくみ、メカニズム、システム)のことです。

誘因とは、誘発因子(ゆうはついんし)といって、発症するきっかけの出来事、食べ物、季節、気候・環境の変化などです。それぞれ人によって異なります。このさまざまな誘因がいくつも重なって閃輝暗点が発症します。

片頭痛患者は比較的女性に多く、その80%が女性ですが、誘因の出方は男女差や年齢差もあります。

仕事で責任のある役職に就いたとか、家庭では子供の受験や親離れ、配偶者との関係、親の介護など、精神的ストレスが重なることも誘因の出方に影響します。

 自分がどういうときに片頭痛になりやすいかを知ると、予防と対策がしやすくなります。

日常生活において、誘因を知り、見つけて、きちんと対処すれば、閃輝暗点発症の大半は予防できます!

●自分でできるセルフケア対策その2、「代替療法を摂りいれて、ケアする。」は、こちらをご覧ください。

●自分でできるセルフケア対策その3、「サプリメントを活用して、ケアする。」は、こちらをご覧ください。


体験談レビュー評価、コメント欄

ルパン13世 (2021,6,24 19:34)

54歳、女性、この閃輝暗点の片頭痛をなくしたいと思って、頭痛薬や鎮痛剤じゃないものを探してキャッツクロウを購入しました。毎日6粒と、天気が悪い時、台風が来る前、季節の変わり目なんか、頭痛が来そうだなあと思ったら予防にもう2粒追加して飲んでいます。この1年ほど閃輝暗点は来ていません。

コメント欄

インスタこばえ(2018, 9、25 10:08)

34歳、新米ママです。出産してから閃輝暗点になりました。ひどかったです。病院もどこに行けばよいかわからなくって、お産でお世話になった産婦人科に行ったら教えてもらいまして、脳神経外科に通いました。頭痛薬の薬代が高くてしんどいです。毎月の支払いに参ってました。夫がこのサイトを見つけてくれまして、誘因というのが全部私に思い当たることばかりでした。サプリメントの牡蠣エキスを飲むようにしてから、とても楽になりました。貧血もしなくなりました。もっと予防することをいろいろな勉強をして治したいですね。


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