
更新日 2019/05/24 2020/09/07
〇 月経周期関連片頭痛
閃輝暗点の男女別発症率は、女性が80%と圧倒的に女性が多く、男性の約4倍と言われています。
月経開始の前後に心身の不調を感じる女性は多いのですが、特に月経前の3~10日の間に表れる症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれ、その症状は200種類もあるとされています。
20代、30代の女性に月経時や生理中に片頭痛が起こりやすいのは、月経時に起こる女性ホルモンの急激な減少といった「分泌量の変化」が強い誘因となっています。生理周期に伴って片頭痛の症状が出るため、「月経周期関連片頭痛」とも呼ばれています。
生理、月経、妊娠、出産、授乳などによる女性ホルモン(卵胞ホルモン:エストロゲン)の分泌バランスに変化が起こるためです。
特に、生理前(生理の始まる1,2日前)や、生理中(特に生理が始まって2,3日間)に良く起こります。逆に生理がなくなり女性ホルモンが安定する妊娠中は、閃輝暗点は一時的に治まります。しかし出産後にはまた始まります。また閉経すると閃輝暗点は軽減すると言われています。またピル(経口避妊薬)を服用していると、ピルによって強制的に生理のない状態にするため、閃輝暗点の回数が減った、軽くなったとの報告もあります。
このことから、女性に多い理由として女性ホルモンが大きく影響していることが良く分かります。
このように女性ホルモンの変化が、閃輝暗点発症の大きな誘因となっています。
※誘因とは、誘発する因子(きっかけとなる体調、出来事や環境、食べ物、飲み物など)です。誘因の種類や対処法について詳しくは、「閃輝暗点 自分でできる対策はありますか?」をご覧ください。
〇 発症の原因は、原因物質の出現!?
ではなぜ、女性ホルモンの分泌量の変化という誘因によって閃輝暗点が発症するのでしょうか?
その原因となるのが「プロスタグランジン」です。このプロスタグランジンとは炎症や痛みを引き起こす体内物質(神経伝達ホルモン)で、「原因物質」と呼ばれています。それと同時に子宮を収縮させる物質でもあります。
生理になると、子宮内膜でこのプロスタグランジンが分泌され、子宮にけいれん性の収縮を起こします。これが生理痛の痛みとして自覚されます。
また一方で、生理になると脳内でもプロスタグランジンが出現し、血管を拡張させ、血管壁に炎症を起こし、神経の痛みに過敏な状態を引き起こします。これが片頭痛の原因です。このことからプロスタグランジンは「起炎性物質」また「発痛物質」とも呼ばれています。
すなわち閃輝暗点発症の原因は、このプロスタグランジンの出現と言えます。
〇 妊娠中や、閉経しても閃輝暗点は起こる!?
生理がなくなり女性ホルモンが安定する妊娠中は、閃輝暗点は発症しない。出産後にまた起こるという事例が多いように言われていました。さらに閉経して生理がなくなった女性には閃輝暗点は発症しないと言われ、専門家の見解も同じくそれが定説のように言われていました。ですが、どうも近年はその定説が崩れてきているようです。
近年のデータでは、妊娠中でも発症する事例が多く、また閉経して生理がなくなった50代、60代の女性でも、頭痛のあるなしに関係なく閃輝暗点が発症し、しかも頻繁に発症する事例が多く報告されるようになってきています。生理がなくなった妊娠中でも、閉経後でも閃輝暗点は発症するということになるようです。
先程から、女性に多い理由として生理を誘因として述べてまいりましたが、では生理がなくなっても閃輝暗点は発症するのかと気落ちされるかもしれません。
原因を突き詰めると、やはり脳内に現れる原因物質プロスタグランジンの出現によるものですが、もう一つ原因があります。プロスタグランジンが現れる原因です。これも女性に多い理由になっています。それはセロトニンの減少です。
〇 もう一つの原因、女性ホルモンとセロトニンの密接な関係
閃輝暗点発症時に、脳内セロトニンの量が減少していることは男女ともに確認されています。
女性の場合、40歳代を過ぎるころから女性ホルモン(卵胞ホルモン:エストロゲン)の分泌量が減少し始めます。そして更年期に激減します。その卵胞ホルモン「エストロゲン」の分泌量が減少することに正比例して、セロトニンも一緒に減少します。女性ホルモンが減少するのと同じく、脳内セロトニンの量も低下してくるというわけです。
脳から、分泌指令を出しているのに、卵巣から女性ホルモンが分泌できないというアンバランスな状態に陥ります。するとセロトニンも不足することで、自律神経にも悪影響を与えます。それがさまざまな更年期症状となり、人によっては「頭痛なしの閃輝暗点」となって現れるのです。
このように女性ホルモンのバランスの乱れによってセロトニンが減少すると、原因物質プロスタグランジンが現れて、更年期の女性の閃輝暗点発症の原因となっています。
※セロトニンとは、ノルアドレナリンやドーパミンと並ぶ三大神経伝達物質です。「しあわせホルモン」とも呼ばれ、体内でとても重要な役割を果たしています。セロトニンが不足するとノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えきれず、精神のバランスが崩れ、うつ病、パニック障害などの精神疾患の原因になるとも言われています。また脳内セロトニンの減少は認知症の発症が早くなる原因にもなっています。
〇 閃輝暗点と更年期
でも、まだ40歳になったばかりの女性にも、この「閃輝暗点」の症例が多いのはなぜでしょうか?
それは残念ながら、この年齢も更年期による女性ホルモンのバランスの乱れに関与しているのです。
「閉経もしていないのに、更年期なんてまだ関係ない!」と思われるでしょうが、医学的には40代から更年期と言われます。(閉経の前後10年~20年を更年期といい、40歳代~60歳代の時期を指します。)40歳を過ぎたころから、女性ホルモンの分泌が減少し始めます。
つまり40歳になったばかりでも、更年期の入口に差し掛かっている状態、プチ更年期と言われる状態にあるといえます。
対処法、改善方法はあるのでしょうか?

閃輝暗点を発症させないためには、
1、プロスタグランジンが過剰に作られるのを阻止すること。
2、プロスタグランジンの出現を抑制すること。
3、脳内血管に炎症を起こさせないこと。
この3つが閃輝暗点発症の予防になります。
改善・予防法として、薬用植物ハーブを摂りいれるハーブ療法があります。抗炎症作用のあるこのハーブを摂取することで、炎症を引き起こす起炎性物質プロスタグランジンが作られるのを阻止し、出現を抑制し、炎症を未然に防ぐ効果があり、閃輝暗点にも生理痛にも同じく症状の軽減を補うものと考えられます。またすでに起こっている炎症も鎮めることから、特に更年期の女性に多い、キラキラだけの「閃輝暗点のみ頭痛なし」のケースにも適応が望めます。
薬用植物ハーブ療法について詳しくはこちらをご覧ください。
編集後記
記載のように、月経周期による女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量の減少に正比例して、脳内セロトニン量も減少することから、脳内血管が収縮と拡張を繰り返し、その血管に起炎性物質プロスタグランジンが現れて、炎症と浮腫が起こります。これが女性に多い閃輝暗点発症の原因になっているのです。
このプロスタグランジンの出現を阻止し、炎症を未然に防ぐという薬用ハーブ療法があります。
ご紹介した薬用植物ハーブは、飲みやすく粒状にして、国内でも広く市販されています。ネットによる通販などもあるようですから興味のある方は飲まれたらいいでしょう。
ハーブ療法について詳しい解説があります。こちらをご覧ください。
コメント:5
39歳女性です。2人のママです。「閃輝暗点の原因について」の本文サイトも読みました。
とても詳しくて分かりやすかったです。こんなに詳しい説明をされているサイトはこちらだけと思います。2人目を出産してからが、ひどい閃輝暗点に悩まされていました。初めてなったのは高校生のときからですので、もう20年も前からです。妊娠中は全然ならないから、絶対月経や生理と関係あると思ってました。病院の先生はあまり詳しくないようで不安に思っていました。2年前くらいから、スマホでググってましたら見つけました。とてもよく分かりやすくて、不安が解消されてよかったです。キャッツクローも飲んでいます。頭痛ダイアリーも今つけています。ありがとうございました。
この下にもコメントがあります。 その他にも体験者のレビューサイトがあります。「閃輝暗点の経験者の声」
家にいるのが一番よ! (日曜日, 24 5月 2020 15:48)
61歳の還暦おばさんです。まったく閃輝暗点という病名すらわからなくて、とりあえず眼科に行きまして、眼科の先生から教えてくださいました。「眼の異常はないが脳梗塞なんかの脳の病気かもしれないので」と、神経内科を紹介してくださいました。そこでも「閃輝だけで頭痛がないのは危ないですから」と言われまして、MRIも撮りました。でも何もなく異常なしでした。結局、眼も脳もどこも異常なしでした。ですから何も治療はされません。でもそれからもキラキラの花火のような光はしょっちゅう頻繁に出ました。1日2回も起きたり、2日続けて起きたりして、頭痛はないけどとてもつらい毎日を送っていました。
ネットで調べて、キャッツクローをすぐ頼みました。飲み始めて1年10か月が経ちますが、まったく閃輝の光は起きていません。ピタッと止まりました。
働く女王蜂 (土曜日, 22 9月 2018 22:16)
40歳です。閃輝暗点の起こるようになって、もう8年くらいになります。出産が終わったあとからで生理の始まる頃に起きるので、何か生理と関係あるのかしらと思っていました。ネットで調べていましたら、こちらのサイトをみつけまして読ませてもらいました。やっぱり閃輝暗点は生理に関係していたんだなと思いました。それと女性ホルモンとセロトニンの密接な関係も良く分かりました。わたしも更年期の入り口にいます。冷え性なんかも気になるし、牡蠣エキスは髪の抜け毛なんかの人も続けていると聞いていましたので、さっそく頼みました。ずっと飲んでみたいと思います。
ネットサーフィンきどり (金曜日, 07 9月 2018 10:18)
38歳です。3人の子持ちママです。出産授乳が終わったころから、ひどい閃輝暗点になりました。
結婚前の20代に何回かありましたけど、最近のこの頃の方がひどくてつらかったです。病院の薬は頭痛薬だけでキラキラは治療できないと言われました。このサイトは、予防の仕方も詳しくて、とても勉強になりました。牡蠣エキス注文しました。また経過を報告します。
ググりマーや (日曜日, 02 9月 2018 15:30)
44歳、女性、おととしあたりから閃輝暗点になったのですが、病院の頭痛薬が効いたり効かなかったりで不安でしたから、いろいろなサイトをググっていたらこのサイトを見つけました。対処法など詳しくて安心します。またコメントします。