閃輝暗点とは、「突然、視界にキラキラ、チカチカした銀色の光が現れる!そのギザギザの異様な閃光はみるみるうちに拡大し、視野全体に広がって目が見えなくなる!その光の環が消えた直後、強烈な頭痛が襲ってくる!」という現象です。
この症状の病名は「閃輝性暗点症(せんきせいあんてんしょう)」といいます。一般的に「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれ、「閃輝暗点を前兆とする片頭痛(偏頭痛)」と診断されます。
閃輝暗点の原因は?治し方は?脳梗塞の前兆ですか?放置すると危ないですか?初めて起きたらどうする?
閃輝暗点の最新の治療法・改善法、予防法まで、最新情報を特集して閃輝暗点治療の”今”を解説します。
インデックス(目次)
1, 閃輝暗点の症状は?
2, 閃輝暗点の原因は?誘因とは?
3、閃輝暗点 頭痛なし 50代 60代
4、閃輝暗点と間違いやすい眼の病気。
5、閃輝暗点 よくある質問Q&A
6、閃輝暗点 女性に多い理由
7、閃輝暗点の治療法は?
8、頻繁に起こるようになったときの対処法
まとめ:一度罹患したら治らない、一生付き合っていく病気という認識をもって、生活を続ける上で自分なりに上手にコントロールしていくこと。
それまで普段と変わらない日常生活を送っている人に、突然、視覚障害が起こります。
景色がゆがんで見え、視界の一部がゆらゆら動いたりして、スマホの画面の半分が見えなくなります。(視野欠損)
視界の真ん中あたりに、まるで太陽や強いライトを直接見た後の残像のような黒い点が現われ、その黒い点は大きくなって目の前が真っ暗になります。(暗点)
その中に小さく光るキラキラした点が現われます。その光る点はみるみるうちに大きく広がっていきます。(閃光の拡大)
半円状の三日月のように丸くなり、キラキラと光るギザギザした銀色のガラス片や、カミソリやノコギリの刃のようなもの、あるいはジグザグの幾何学模様が、カミナリ光線のようにチカチカしながら、光の環となって視界いっぱいに広がっていきます。万華鏡のようなその光の環は、まるで生きているようにゆらゆらと回転します。このため視界の大部分が見えなくなります。
片目だけではなく、両目を閉じてもこの光の環は見えます。この閃光と暗点は40分から1時間くらい続いて、ようやく視界の外に出て消えて行きます。
そしてその閃光と暗点の症状が治まった直後から、強烈な片頭痛が起こり始めます。
頭が割れそうな、今まで経験したことがないほどの激しい片頭痛が2時間から4時間も続き、強烈な吐き気、嘔吐を伴います。
身体を動かそうとすると片頭痛の痛みが増すために、じっとしているか、寝ていることしか出来ません。
この一連の症状は、ただちに生命に危険を及ぼすといったことはありません。
出血もありませんし、発熱を伴うこともありません。また感染や伝染することもありません。
1~2時間後、一連の症状が終わると、普通の健康体に戻って普段通りの元の生活に戻れます。
翌日まで頭痛や疲労感が残るなど個人差はありますが、症状の治まった後は、身体面はもとより生活面でもなんら支障が生じることなく、今までと同じように仕事や家事といった、まったく普段通りの生活を続けることができるという点が、この病気の特異性であると言えます。
誰にでも起こる病気です!パソコンやスマホの画面を見た後などにも起こります。
比較的に女性に多いとか、十代で初めて発症する人も多いと言われ、小学高学年から中学生、高校生に当たる思春期の子供でも起こります。男女ともに年齢に関係なく発症します。●中学生、高校生の発症と対処法について、詳しくはこちらをご覧ください。「閃輝暗点は中学生、高校生でも起こる!その対処法は?」
発症する頻度も個人差があります。年に5~6回程度のケースが多いのですが、月に1回から週1回になり、週に3回くらいと頻繁に起こります。
年を重ねるとともに回数も減り、間隔も長くなって来るという症例もありますが、しかし、完治することはありません。60代、70代、80代でも今もってなお、月に1回、週に1回と頻繁に起こる症例も多くあります。
閃輝暗点は医学的にはどのように定義されているのでしょうか?
2013年(平成25年)に制定されました「国際頭痛分類第3班」(ICHD-3)によりますと、
「固視点付近にジグザグ形が現れ、右または左方向に徐々に拡大し、角張った閃光で縁取られた側部凸形を呈し、その結果、絶対暗点あるいは様々の程度の相対暗点を残す。また陽性現象を伴わない暗点が生じる場合がある。陽性現象を伴わない暗点はしばしば急性発症型として認められるが、詳細な観察によると徐々に拡大するのが通例である。」と定義されています。
出典:慢性頭痛の診療ガイドライン2013(日本頭痛学会)より
●起炎性物質の出現
「閃輝暗点(せんきあんてん)」の発症機序(起こる原因、メカニズム)は、ストレスなどなんらかの誘因(ゆういん)により、脳の血管が収縮し、その後異常に拡張して一時的に血液の流れが変化し、脳内血管に影響を与える脳内神経系の障害であると考えられています。
具体的には、ストレスを感じている緊張状態において脳内血管が拡張します。その血管を収縮させる性質を持った神経伝達物質セロトニンが、その血管を正常に戻してストレスを緩和させる理由で多量に放出されます。すると大脳の後頭葉にある視覚野(しかくや:見たものの位置や形状を認識する部位)の血管が収縮します。しかしそのセロトニンが消費され枯渇して不足するため、血管を拡張させる原因物質プロスタグランジンが出現します。すると血管が急激に拡張し、血流の量が減少(虚血状態)することで、一時的に視野の一部が見えない状態「暗点(あんてん)」になります。
さらに視神経の血管壁に炎症、浮腫(むくみ)を起こし、血管が痙攣(けいれん)を起こすためキラキラの閃輝(せんき)が現れるものと考えられます。
この炎症を引き起こす原因物質プロスタグランジンを「起炎性物質」、「発痛物質」といいます。
女性の生理中に、子宮内膜でこのプロスタグランジンが分泌、出現するとけいれん性の収縮、拡張を起こして生理痛を自覚します。つまり生理痛の原因もこのプロスタグランジンにあるといえます。
● 片頭痛は炎症が原因
引き続き起こる「片頭痛(へんずつう)」の発症機序は、脳内血管に出現する原因物質プロスタグランジンによって血管が異常に拡張すると共に、周囲にある三叉神経を刺激し、さらに血管壁に炎症、浮腫(むくみ)を起こすため、ズキンズキンと脈打つような拍動性(心臓の鼓動に合わせるような)の頭痛が起こるものと考えられています。
すなわち「閃輝暗点を前兆とする片頭痛」は眼球の異常ではなく、脳内血管の神経病理学的疾患であるといえます。
頭痛を伴わない閃輝暗点、「閃輝暗点のみ頭痛なし」という症例があります。頭痛がない閃輝暗点というケースも比較的多い症例です。
若い時には頭痛があったが、年を取るうちに閃輝のみとなったケースと、40代、50代、60代となって初めて閃輝暗点を発症したが頭痛なしというケースがあります。
●「閃輝暗点のみ頭痛なし」の症例については、別ページにて詳しく解説しています。こちらをクリックしてください。「閃輝暗点 頭痛がない!その原因と対処法は?」
目が見えない! 視野が欠ける!
光が見える! 異物が見える!
このような「閃輝暗点」によく似た眼の病気があります。
閃輝暗点の症状に似ているため間違いやすいとされる眼の病気には、次のような症状があります。
●飛蚊症
●網膜中心同膜閉塞症
●網膜剥離
●光視症
●緑内障
●黄斑変性症
上記の症状は、片目だけに現れます。両目に同時に発症することはありません。従って片方ずつ交互に目を閉じても、両目ともに異物が見えたり、両目を閉じていても光が見えるといった症状ならば、眼球の疾患ではないということがわかります。つまり「閃輝暗点」は眼の病気ではなく、脳の血管神経病理学的疾患ということになります。しかしながら、いずれにしてもしろうと判断は禁物です。まずは、眼科にて専門医による適切な診断を受けてください。
※注意 両目ともに視野が欠けるケースは、脳梗塞・脳腫瘍・脳内出血の可能性があります。速やかに救急車を呼ばれて、緊急治療を受けてください。 ●よく似た間違いやすい眼の病気について、別ページにて詳しく解説しています。こちらをご覧ください。「特集 閃輝暗点と間違いやすい眼の病気とは?」
「医療相談室」に相談された事例を掲載しています。
F・S様 男性 42歳
Q:ご質問
キラキラ、ギラギラを消す、出ないようにする治療法はあるのでしょうか?
A答え:キラキラが起きないようにする治療はありません。閃輝暗点の光の環「閃光」を回避する治療法は今の医学では確立されていません。現在の西洋医学医療分野において、「閃輝暗点」は片頭痛の前駆症状、前兆であるとの捉え方しかされていません。
医学書や医療専門書などの文献、出版書や出典にも、頭痛の治療法は載っていても、ギラギラ、ギザギザの光の環「閃光」が出ないようにする治療法は載っていません。残念ながら21世紀の今日においても、現在の西洋医学では確立されていないのが現状です。「閃輝暗点」の治療は頭痛を緩和する頭痛薬しかありません。
Y・H様 女性 53歳
Q:ご質問
10年前から片頭痛で閃輝暗点が出ます。その閃輝暗点が、何回も出る場合はどうすればいいですか?
1日2回連続で出たり、2日連続、3日連続で出たりします。運転中に出たりするともうパニック状態です。
10年前から脳神経科に通院していますので、このところあまりにも頻繁なのでMRI検査もされたのですが、異常はなかったです。頭痛薬だけ処方されました。ですがその後も頻繫に何回も出ますので不安でなりません。
治し方を教えてください。それと予防できる方法があればご教示ください。
A:お答え
「年に数回程度だったのが、頻繁に起こるようになった。どうしたら良いか?」というご質問が多くあります。
お答えとして、「頻繁に起こる、長時間起こる場合は脳梗塞など脳内疾患が疑われますので、速やかに神経内科などの医療機関にて、MRI、脳波、脳血管SPECT検査など精密検査を受けてください。」とお答えするのですが、Y・H様の場合、すでに病院でMRIなどの精密検査を受けて、脳に異常なしとの診察を受けているとのことですので、それはそれで一安心なのですが、脳内の異常がすべて払しょくされたわけではありません。閃輝暗点は脳疾患の危険因子であり、またその後も頻繁に発症して、日常生活に支障をきたしているわけですから、何とか対策を考えなければなりません。その対策として次の3点を実行してください。
1,誘因を見つけて予防ケアする。
発症のきっかけとなる誘因を見つけて、回避すれば予防となります。
●「誘因」について、詳しくはこちらをご覧ください。「閃輝暗点 自分でできるセルフケア!?」
2,起きた時の即効の治し方。
発症した時の、すぐできる、誰でもできる、お金のかからない即効の対処法です。
●詳しくはこちらををご覧ください。「閃輝暗点が頻繁に起きる時の対処法!」
3,「閃輝暗点対策素材」を活用して予防する。
原因の炎症を未然に抑制し閃輝暗点を改善・予防する、抗炎症効果のある薬用ハーブ素材、機能性素材をリストアップして紹介しています。
閃輝暗点の男女別発症率は、圧倒的に女性が多く約80%以上が女性で男性の4倍も多いと推測されています。
女性に多い理由は、「月経関連片頭痛」という女性ホルモンの影響によるものと考えられています。
女性の月経時や生理中に閃輝暗点が起こりやすいのは、脳内の視床下部という女性ホルモンの分泌を司る器官が刺激を受け、月経時に起こる女性ホルモン(卵胞ホルモン:エストロゲン)の急激な減少といった「分泌量のバランスの変化」が起こることが最大の誘因となっています。
このように生理周期に伴って片頭痛の症状が出るため、「月経周期関連片頭痛」と呼ばれています。
●女性に多い理由について、詳しく解説したサイトがあります。こちらをご覧ください。「閃輝暗点 女性に多い理由は女性ホルモンの影響!?」
●動かないで安静にする。
まず静かな暗い場所で、安静にして発作が治まるのを待つこと。
発作が出た場所にもよりますが、とにかく動かないでじっと安静にしていることです。
動くと痛みが増すため、片頭痛が始まると動けなくなって、その結果仕事や家事、子育てなどの日常生活に支障が出てしまうことがあります。
時間的に可能なら少しでも睡眠をとると症状が落ち着きます。
以下に治療法の解説があります。
●医療機関を受診する。
一時的に目が見えなくなるため、発作が治まってからでも良いですから、なるべく早く、眼科のある総合病院にて診察を受けること。
総合病院が近くになければ、開業医の眼科にて受診する。
眼球の疾患ではないことを確認したら、頭痛専門医のいる病院で診察を受けてください。
神経内科、脳神経外科、頭痛外来、内科クリニックなどを受診してください。眼科医から紹介される場合もあります。
●治療を始める。
治療のスタートは専門医による正しい診断から始まります。
「閃輝暗点を前兆とする片頭痛」「閃輝性暗点症」との診断を受けたら、治療は医師の指示に従ってください。
「閃輝暗点」以外の、何か他の病気がないかは重要なことです。必ず確認しましょう。診察が済んだら症状に合った頭痛薬を、医師によって処方されます。
以下に受診と治療について、詳しく解説しています。
まずは眼科で受診して、その眼科医の紹介で神経内科、脳神経外科、頭痛外来などで、適切な診断・治療を受けてください。
「閃輝暗点」は眼球の疾患ではなく、脳内血管の神経病理学的な疾患ではないかと思われると述べましたが、ではなぜ初めに眼科を受診されることをお勧めするのかと言いますと、閃輝暗点の初期には、視野に欠損が生じます。
一時的とはいえ眼が見えなくなるので、まずは眼科で、眼球や網膜などに異常がないことを確認することが、先決であるということです。
そして内科や神経科では、まだ経験の浅い若い先生には、この「閃輝暗点」の事をあまりご存じではない医師が少なからずいらっしゃいます。
レントゲン、MRI,CTスキャンなど検査ばかりされた挙句、「異常なしです。」と回答されたり、「メニエール病」と診断されたりという場合があります。そこで眼科からの紹介の手順を踏めば、内科にもわかりやすいということです。
これまで閃輝暗点は特有の症状であるため、医師も判断しづらかったのですが、2013年(平成25年)に慢性頭痛の国際診断基準:International Classification of Headache(ICH)が制定されてより、決め手となる症状がはっきりして、診断がつきやすくなりました。
出典:慢性頭痛の診療ガイドライン2013(日本頭痛学会)より
眼科を開院されている開業医であれば、「閃輝暗点」について、知識も経験も豊富な先生方が多いので安心です。また眼球の疾患ではないということが明確になります。
検査で、重篤な病気でないことが分かれば、精神的にも楽になります。その後、神経内科などの専門医による適切な診断と、治療を受けてください。
「閃輝暗点」の治療のスタートの第一歩は、専門医による正しい診断から始まります。必ず、専門医のいる医療機関にて診察を受けてください。
受診するのは、神経内科、脳神経外科、頭痛外来ですが、近くにない、あるいはどこにあるかわからないといった場合、普段風邪などで診てもらっているかかりつけの内科クリニックでも良いです。そこから紹介してもらえます。
「閃輝暗点を前兆とする片頭痛」と診断されて病名が決まると、治療法も治療薬も決まります。
まずは自分の病気は何なのか?進み具合は?といった、自分の病気の現状を把握し、見極めることです。 そうすれば、これからの治療なり予防する対策に専念することができます。
「群発頭痛」
「緊張型頭痛」
「片頭痛」 >閃輝暗点は「片頭痛」に分類されます。
2013年制定の、慢性頭痛の国際的な診断基準である国際頭痛分類第3版では、前兆の有無により、「前兆のある片頭痛」と、「前兆のない片頭痛」に細分類されます。
その前兆症状として一番多いのが、キラキラの光が見える「閃輝暗点」です。
閃輝暗点は片頭痛の中でも特有の症状で、片頭痛患者の約40%を占めているとみられています。
「緊張型頭痛」は、血流の滞りによる筋肉の緊張で起こる頭痛です。肩こり、眼精疲労などで起こることから、入浴や軽いストレッチなどで体を温めることで、血流が良くなって痛みが緩和されます。
しかし「片頭痛」は対処法がこれとはまったく異なります。血管の拡張により生じる神経の痛みですから、温めてはいけません。入浴などで体を温めるとさらに血管が拡張し、ますます痛みが増大し悪化することになります。
片頭痛(migraine)という名称の由来は頭の片側が痛むこととされていますが、実際には片頭痛患者の50%以上が両側性の頭痛を経験しています。
「片頭痛」の正式な医学用語は ”片”を使用します。医療関係者、医療従事者は「片頭痛」と表示します。学術誌、医学専門誌など、医学分野における関連書では「片頭痛」が正式な表記となります。パソコンのワード変換で「偏頭痛」と出ることもありますが、それは間違いです。
「閃輝暗点」の後に起こる強烈な「頭痛」を治療する薬物療法です。薬品名や種類、治療を受ける際の注意点などを詳しく説明します。
◯片頭痛急性期治療薬として、
●2001年、片頭痛の専門薬、特効薬とも言うべき新薬トリプタン系製剤(5‐HT1B/1Dレセプター受容体作動薬)が新薬としての登場により、片頭痛の効果的な治療ができるようになりました。それ以降は、片頭痛による日常生活(QOL:生活の質)の阻害は軽減できるようになりました。
エルゴタミン製剤:(市販名:クリアミンA、ミグタミンA、ヘクトM、カフェルゴット他)
トリプタン系製剤: スマトリプタン ゾルミトリプタン(市販名:イミグラン、ゾーミック、レルパックス、マクサルト、アマージ、その他錠剤・点鼻液)
●しかしこれらの治療薬には、重篤な副作用が見られます。
服用後に吐き気がしたり、寝つきが悪くなったり動悸がひどくなるといった副作用が報告されており懸念されます。大量の服用、もしくは長期に飲み続けると血流障害を起こし、手足の先がしびれたり、チアノーゼを起こして血の気がなくなったりします。使用される場合は、医師と充分相談の上服用してください。
●トリプタン系製剤は薬価が高いことでも知られています。1錠1,100円で、保険適用されて3割負担でも1錠330円となり、他の頭痛薬に比べると高価な印象はあります。
◯片頭痛予防薬として
急性期治療のみで片頭痛発作が改善しない場合、予防薬を使うことができます。
代表的な予防薬として、塩酸ロメリジン(市販名:テラナス、ミングス他)カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬、β遮断薬、抗うつ薬などです。
ただし予防薬の使用が検討されるには、次のような条件があります。
●発作が月に2回以上ある。6日以上あるなど回数が多い。
●月に1回程度でも頭痛の持続時間が長く日常生活に支障がある。
●トリプタンやNSAIDsなどの治療薬が効かない。
●片頭痛を起こすことに対する不安が強い。
これらの条件に当てはまり、本人が希望する場合に検討され、医師の判断で処方されます。
予防薬の効果を見るには2~3か月以上続け、改善が見られない場合、薬の変更が検討されます。頭痛の回数の減少や、痛みの程度の軽減が3~6か月続くといった改善が見られたら、徐々に予防薬の量を減らしていき中止します。
●2021年、CGRP関連片頭痛予防薬の新薬として、エムガルティ、アジョビ、アイモビークが認可されました。しかし現在注射のみとなっています。初回は2本注射し、翌月から月に1本注射します。費用が高く、1本あたり45,165円です。保険適用3割負担で13,550円です。
●2022年、トリプタン系製剤の次世代型新薬として、急性期治療薬ラスミジタン(市販名レイボー)が認可され発売されました。
※これらの予防薬には副作用があります。吐き気やめまい、ふらつき、全身倦怠感といった深刻な副作用が懸念されます。使用される場合は、医師からの十分な説明を受けた上服用してください。
※ここでいう予防薬とは、あくまでも病院で医師の診断を受けて処方される頭痛薬のことです。市販薬はありません。頭痛だけを予防する薬で、キラキラの閃輝を予防するものではありません。
●頭痛薬を飲むタイミングが大事です。
病院から処方された頭痛薬は、「ギザギザ」が消えたころ、頭痛が起こる直前に服用するのが最も効果的です。片頭痛は時間が経つとアロディニアが起こり、脳の痛みが過敏になり頭痛薬が効きにくくなります。ですから服用するタイミングがとても大切です。ただし、薬の効き方には個人差があります。数分で効き始める人もあれば、数時間かかる人もいます。
片頭痛の治療薬として、主に頭痛治療薬トリプタン系の内服薬を処方される場合が一般的で多くなりました。しかし内服薬を効果的に用いるためには、飲むタイミングが重要です。前兆のギザギザが起きている時点、頭痛が起きる前、痛みが本格化してから服用しても効果はありません。最も効果的なのは、光のギザギザが段々に拡大し、そして消えた直後、頭痛が始まる直前に服用することです。
※注意!トリプタン系使用不可の方
トリプタンには、拡張した血管を元に戻す作用により、血管を収縮させるため、次のような方は使用できませんのでご注意ください。
トリプタン系が使用不可の方
○ 脳梗塞・狭心症など、血管が収縮すると発作が起きる可能性のある病気を持つ方
○ 重度の高血圧の方
○ 肝機能が低下している方
○ てんかんがある方
※トリプタン使用不可の方には、非ステロイド系抗炎症薬で痛みを抑えます。
医薬品の使用に関しては、専門医の指示に従って使用してください。
●ツボを冷やす方法とツボ押し。
片頭痛による痛みに良いといわれるツボがあります。
側頭部や前頭部、頭頂部の痛みに効果的なツボです。特に足に関連したツボが片頭痛に効くと言われています。そのツボを冷やす方法があります。こめかみや、後頭部の首の付け根のあたりを、アイスノンや保冷材、氷のうなどで冷やす方法です。とてもよく効きます。
またツボを押す「指圧する」方法もあります。これも効果的です。
痛みのない「閃輝暗点のみ頭痛なし」の方にも効果的です。
自分でできる、薬物を使用しない、お金もかからない安心・安全な方法です。
頻繁ではないという方も実行されてください。
●閃輝暗点が頻繁に起こるようになったときの対処法として、図解入りで詳しく解説しています。こちらをご覧ください。「閃輝暗点が頻繫に起こるようになったときの対処法」
閃輝暗点を引き起こす誘因があります。その誘因を見つけてケア(対処)しましょう。きちんとケアすれば、発症の大半は防ぐことができます。
●原因と誘因は違います。
「原因」とは発症機序です。機序とは発症システム、起こるしくみ、メカニズムといった直接的な意味です。
「誘因」とは、誘発する因子のことで、きっかけとなる出来事、身体の状態や精神状態、食べ物、気候・季節、環境などです。また女性の生理・月経のような人体生理学的な状態も誘因となります。誘因にはさまざまな状態があり、男女差や年齢差、また本人だけの個人的なものもあります。
この誘因によって発症ボタンが押され、スイッチONとなり閃輝暗点が発症します。
「閃輝暗点のみ頭痛なし」のケースも、同じ誘因によって発症します。
●閃輝暗点の誘因リスト
◦ストレス
◦ストレスからの解放
◦生理・月経
◦低気圧・温度・湿度
◦食べ物、チョコレートなど
◦PC・スマホの画面
◦眩しい光・太陽光・強いライト
◦においや音に敏感になる
◦血圧降下剤、医薬品、ピル
◦たばこ
◦人混み・騒音
◦顔が熱くなる、大汗をかく
その他にもさまざまな誘因があります。
●あなたの誘因は何ですか? まずはそれを知ることからスタートしましょう!
●誘因リストとその対処法を分かりやすく詳しく解説したサイトがあります。こちらをご覧ください。「閃輝暗点 自分でできる対策はありますか?」
⭐「閃輝暗点対策素材」
●閃輝暗点を予防、特に抗炎症作用に適応する対策素材。
発症の原因物質プロスタグランジンの出現を抑制する、抗炎症に効果が期待される栄養素材の紹介。
薬用植物ハーブ素材―――――― キャッツクロウエキス末、アルカロイド、
必須ミネラルとして――――― 亜鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、
必須アミノ酸として――――― トリプトファン、フェニルアラニン、
ビタミンとして――――――― ビタミンB₂、ビタミンB12、ビタミンD、
ヒトはこれらの栄養素材を自分の体内で作り出すことはできないため、食べ物から摂取する必要があります。しかし食事などから摂取することは難しいとされますので、良質なサプリメントで補充する必要があります。
●「閃輝暗点の予防対策素材」について、詳しくはこちらをご覧ください。「閃輝暗点 サプリメントはありますか?」
●薬剤師が推奨する「閃輝暗点対策素材」
1,薬用ハーブ素材:「アルカロイド」
薬用植物キャッツクロウの主成分アルカロイドには抗炎症作用、鎮痛作用、抗ガン腫瘍作用、抗酸化作用、免疫力調整作用など優れた機能性作用があります。
閃輝暗点の原因とされる脳内血管の炎症、うっ血、腫れ、痛みなどを抑制する作用があります。
頭痛のあるケース、ないケースどちらも適応します。とくに「閃輝暗点のみ頭痛なし」のケースに有効です。●キャッツクロウについて、詳しくはこちらをご覧ください。
2,亜鉛・アミノ酸素材
閃輝暗点発症時には脳内セロトニン量が低下していることまでは分かっています。
脳内セロトニンを作り出す材料として、亜鉛・トリプトファン・マグネシウム・カルシウム・ビタミンB2などが必要となります。このように「亜鉛やアミノ酸素材」を継続的に摂取・補給することで、閃輝暗点の発症を予防します。●亜鉛・アミノ酸素材について詳しくはこちらをご覧ください。
☆☆☆☆☆ H・T様 49歳 女性 運送会社事務
30年前から閃輝暗点の発作があります。脳神経外科クリニックで薬は初めエルゴタミンを処方されて飲みました。初めは効いて頭痛はすぐに治まってくれていました。でもその後効かなくなって、、。
イミグランという良い薬が認可されたといわれて飲みました。それからマクサルト、そしてアマージと次々と薬を変えられました。効かないし、副作用として口が乾くし、のども痛くなって、ふらふらしてめまいがする、夜寝られないという状態が長く続きました。
これはいい加減自分で何とかしないと人生が無駄になってしまうと思いまして、ネットで探しました。 「体験談とイメージ画像集」というのを見つけました、それと「セロトニンの増やし方」というサイトを見て、すぐに牡蠣エキスを飲むことにしました。
「すぐには適応は見られない。体質改善には1年かかる」と教えてもらいましたので、ここまで30年かかったのだからじっくり構えて取り組もうと思いまして、カスタムタイプ550粒入りの大びんから始めました。
1年間は相変わらず閃輝暗点は月一で出ました。特に梅雨時は気圧の高低の変化でよく発作が出ました。でもキラキラが小さかったり、時間も15分で終わったり軽減できているという実感はありました。頭痛が軽くてすぐ職場復帰できるのがうれしかったです。
そして2年目でなんと4か月全然起こらなかったことに気づいたのです。そんなことは一度もなかったのに。あれから4年目に入りましたが、今では年に5回くらいしか起こらなくなりました。 脳神経クリニックには行っていませんので、薬は全然飲んでいません。病院の薬代に月3万円出していましたので本当に助かっています。
それと牡蠣エキスを飲みだしてからこの数年、一度も風邪をひかなくなりました。体質改善ができているからかしらと思っています。
☆☆☆☆☆ M・E様 女性 50歳 私も若い頃、年に20回くらい出ていました。月に5~6回も頻繁に起こることもありました。 症状としてはキラキラの後がひどくて、数時間にわたって、こめかみ、首すじを激痛がおそい、眼の前が白く半透明になって涙が出るので何も見えず、吐き気まであり、ソファーの上で毛布を頭からかぶって、体中汗びっしょりになってのた打ち回っていました。 何年も頭痛薬、鍼灸、整体、電気マッサージ、温熱治療までやりましたが全く効果がなく、いつ閃輝暗点が出るかと恐怖心に怯えながら生活していました。 このキャッツクロウは、高校のときの同級生の友達が教えてくれました。その友達は出産後にリウマチが起こり、知り合いから聞いてキャッツクロウを数年前から飲んでいて、閃輝暗点にも良いそうだから飲んで見たらと教えてくれました。 半信半疑で飲み始めました。ところが1ヶ月ウソのように閃輝暗点が起きなかったのです。すぐに購入を頼みました。3ヶ月まったく起きませんでした。続けてみようと3ヶ月ごとに頼んで1年があっという間に過ぎました。その間、なんだか別の人になったみたいで、毎日見る景色が違って見えて、新鮮な気持ちでワクワクしました。あの恐怖で怯えていたことが本当にウソのようでした。
1年過ぎ、2年が過ぎて3年間飲みました。それで、6ヶ月ほどやめて飲まなかったのです。そしたら風邪を久しぶりに引きました。閃輝暗点はまったく起きないようになりましたが、キャッツクロウを飲んでいた3年間は一度も風邪をひかなかったのにと思って、閃輝暗点もまた起きたらいやだなと思って、また再開して飲み始めた次第です。 閃輝暗点の片頭痛の痛さは体験したものでなければ分からないもので、お察しいたします。
私のお話が、どなた様にも当てはまるというわけではないかもしれませんが、お役に立てれば幸いです。
ここまで閃輝暗点の症状・原因の解説、そして緩和・軽減するための対処法、改善法を解説してまいりました。
しかし「閃輝暗点」は原因すらまだはっきりと解明されていません。わかっていないことも多くあり、治療法も特効薬も確立されていません。一生続く病気です。70歳代、80歳代になられても、今でも続いているという方がいらっしゃいます。
「閃輝暗点」の改善法のまとめとして、
1、誘因を見つけてケアする。
2、生活習慣を見直してケアする。
3、サプリメントを活用してケアする。
この三点を実行されることを推奨します。そして病気と「闘う」のではなく、一生付き合ってゆく病気という認識をもって、薬とサプリメントを併用しながら、自分なりに上手に閃輝暗点をコントロールしていきましょう。
「特集」閃輝暗点の体験談・イメージ画像集。
ブログ「閃輝暗点は中学生、高校生でも起こる!起きた時の対処法は?
ブログ 閃輝暗点 ピルを飲んでると血栓症になるリスクが高くなる!
ブログ 閃輝暗点が、予防できる方法は?
ブログ キラキラと光が見える!?閃輝暗点と間違いやすい眼の病気!?
ブログ 閃輝暗点 キラキラの出ないようにする治療法はない!?
ブログ 閃輝暗点 自分でできる対策は?
近代日本文学を代表する作家である、文豪 芥川龍之介。
彼も閃輝暗点に悩んでいたのではと言われています。
芥川龍之介の自殺の真相は今でも謎とされていますが、この閃輝暗点が原因では?と、推測されています。
遺稿となった自伝小説「歯車」の中で、「瞼の裏に銀色の羽根を鱗のように畳んだ翼が見えはじめた。」と書いています。それがこの閃輝暗点だと言われています。
小説「歯車」の一部内容を、別ページにて掲載しています。 こちらでご覧いただけます。